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嘉喜家のすき焼き

独自の焼き方にこだわった
五感で味わう絶品すき焼き

江戸時代から伝わる日本食の代名詞『すきやき』。
すき焼きは人々の喜びを分かち合う日本を象徴する料理です。
そんな本物のすき焼きと三重県内全ての酒蔵のお酒で「おもてなし」を提供する和牛レストラン嘉喜家で日本の食文化をご賞味下さい。
全国のすき焼き店を食べ尽くした女将のプロデュースによる、
ここでしか食べられない独自の焼き方にこだわった五感で味わう絶品すき焼きをご提供しています。

1

ネギ

1つ目はネギです。まず自家製のつゆを入れ、肉の下にネギを敷きます。この理由は3つあります。
1つ目の理由は、肉が鍋にこびりつかないように、いきなり肉を焼く店がよく有りますが、鍋が冷たいうちに肉を入れます。すると、肉の赤身より白身が融点が低く先に溶けるのでこびりつきません。でも、全体的にベチャっとした感じになります。嘉喜家ではそれを防ぐためネギを下に敷きます。
2つ目の理由は肉の旨味がネギに染みるという事です。肉だけだと旨味成分がイノシン酸だけですが、ネギを入れるとグルタミン酸との相乗効果でさらに美味しくなります。
3つ目の理由は焼いたネギが香ばしく美味しくなります。ネギと一緒に焼いた肉は不飽和脂肪酸という良質な油を多く含んでいるので、コクがあるけどくどくない美味しいお肉になります。

2

玉ねぎ

先ほどと同じように玉ねぎの上に肉を広げます。このことで、肉の旨味が玉ねぎにしみます。
旨味成分はイノシン酸だけでなく、相乗効果でグルタミン酸も出ます。すき焼きはネギが王道と言われますが、嘉喜家のすき焼きは、ネギの質が良くない夏場に玉ねぎを出したらとても評判が良かったため一年中玉ねぎを出しています。

すき焼きは本来ネギだけと言われています。日本では明治時代まで牛肉を食べる習慣がなかったので、焼いた肉に抵抗があったのかもしれません。その肉の臭み消しにネギが適していたため、すき焼きの野菜として昔からあったと言われています。白菜や玉ねぎは、すき焼きの具材としては、もっと後から出てきた野菜。関東におけるすき焼き発祥説は、明治時代になってからですが、関西でのすき焼き発祥説はいつからかわからないくらい大昔からあったとされています。法律で食べてはいけない牛肉をこっそり食べていました。農家の働き手の農耕牛が働けなくなるとどうなってしまうのか。それは間違いなく食べていた。

玉ねぎの仕上げに入ります。これも焼いており、汁は有りません。玉ねぎは焼くというより、炒めるといった感じです。ノーソース、調味料程度しか使わないのが私のやり方です。

3

しいたけと豆腐

2回目が終わった後の鍋も、汁が無い状態です。3回目はしいたけと豆腐を入れます。
しいたけだけだと隙間が多く、鍋が焦げてしまうので、豆腐を一緒に入れます。豆腐としいたけは、野菜ではないので、一緒に入れて大丈夫です。2回目まで野菜を1種類にしてきたのは、それぞれの野菜の一番美味しいタイミングが違うからです。ベストの状態で召し上がっていただくために、野菜を1種類にしています。しいたけも同じように焼きます。

網の上でしいたけを焼いて食べるときに、一回り小さくしわだらけになっても食べない人がいます。これは完全に美味しいタイミングを逃しています。すき焼きでつゆの中で煮るタイプだと、一番美味しいタイミングを逃してもつゆを飲むことができますが、私のすき焼きは汁がほとんど無いので、旨味成分がほとんど外に出ません。火が通った瞬間に召し上がっていただきます。

また、しいたけの上に肉を乗せて、肉のイノシン酸とシイタケのグアニン酸の相乗効果で美味しさが出ます。豆腐はつゆの中で煮るすき焼きは、味は簡単に中に入るが、私のすき焼きはつゆが少ないので味が中まで入りません。何回かひっくり返して豆腐の周りに味を絡めます。煮詰めたつゆを豆腐に絡めると、甘辛く見えるのですが豆腐の中は真っ白で、ちょうど美味しい状態です。
召し上がっていただくと豆腐本来の美味しさが中から出て来てちょうど良いバランスになります。

4

三つ葉

三つ葉もまた同じように、上に肉を広げます。三つ葉はすぐに火が通ります。春菊を使っている場合も同じです。
緑色の濃い野菜はすぐに火が通るので、焼き過ぎないように気をつけます。私の調理方法だと、常に野菜は1種類しか焼かないので、火の加減に集中できます。まだ香りが残って一番美味しい、そして美しい状態の三つ葉を食べて頂きます。
三つ葉の調理は大変難しい。すぐ火が通るとはいえ、早く火を止めると、美味しく頂けません。私は、少し早めに火を止めて、鍋の余熱を使います。すると、ちょうどよい食べごろの三つ葉になります。

5

しゃぶしゃぶ

5回目は少し変わっています。今まではつゆがこれくらいでしたが、今回はたくさん入れます。なぜかというと、「すき焼きしゃぶしゃぶ」をしたいからです。
鍋の中で肉を湯通しします。鍋の中に全部の具を入れて煮込むと食べ方は1種類になってしまいますが、私の調理方法は、食べ方を変えることができます。先ほど三つ葉を召し上がっていただいたのは、いくら不飽和脂肪酸を多く含む良質な肉でも、食べ進めるとだんだん胃もたれしてきます。それを防ぐために三つ葉と一緒に食べると、少しさっぱりと召し上がって頂けるために、終わりの方で三つ葉を出しています。すき焼きしゃぶしゃぶも薄味のつゆで湯通しし、さっぱりとした味のすき焼きを召し上がっていただきます。

6

しらたき

最後の〆に入ります。
すき焼きしゃぶしゃぶをしたので、鍋の中にはつゆがたくさんあります。しらたきがこのつゆを吸い込んでくれます。汁が全部なくなると焼きそばのようになります。炊く料理法とは明らかに違うしらたきとなります。私はすき焼きということで、最後まで焼くことにこだわっています。汁が無くなって、今温度は100℃です。ここから焦げ始めます。
焼く音が変わり始めると、まもなく終わりです。水分を飛ばしたので、なにもつけずにお召し上がりください。途中から生卵につけて2種類の味をお楽しみください